2014年7月6日日曜日

第7回 らんぶる


第7回 らんぶる
朝から強い雨が降り続く六月のある日、西口の茶道具店に所用があり、新宿を訪れました。
繁華街新宿に降るのは、演歌の世界のような銀の雨です。



あまり混み合わないお店でランチをとりたいと思い、訪れたのは「新宿サンパーク」の上階にある「レストランはやしや」。
ビルの入り口にある白いショーケースに並んだ料理見本は、エビフライやハンバーグを中心に和洋折衷で、早くも昭和感満点の雰囲気に圧倒されつつ、古いエレベーターで五階へ。
ドアが空くと、カラーブックス「東京の味」の世界が広がりました。

エビフライ定食は、セットのロールパンとソースのボトルにご注目ください。


こちらはその名も「昭和プレート」。
銀のお皿とソースポット、なぜかお小皿に紅生姜がつくのも微笑ましいサービスです。



昭和感たっぷりのランチの後、「らんぶる」へ向かいました。
1950年(昭和25年)創業。1955年(昭和30年)に現在の場所へ移転したそうです。
空席があることを祈りつつドアを開け、禁煙を希望すると地階へ案内されました。
すると昨秋純喫茶のイベントでお目にかかった店長さんが颯爽とお客様を誘導されていました。


地階は二層に分かれていて、年代物のシャンデリアが名曲喫茶の雰囲気を今に伝えます。
 

雑誌やインターネットなどの情報で訪れたレトロ好きな若い人の姿が目立つ中、見るからに商談という雰囲気で、ここが「らんぶる」で「名曲喫茶」であることを 「どうでもよい」 か 「知らない 」様子で長時間滞在している向きも見られました。
おおらかな店長さんは、どちらにも広い心でサービスに勤めておられました。


そんなことを思ううちに、ケーキとコーヒーが運ばれて来ました。
できるだけバタークリームが使われた物をと思い「アーモンドミルク」を注文。


表面に薄く生クリームがコーティングされて、スポンジの間にはバタークリームがサンドされています。
しっとりと柔らかいスポンジの食感に、アーモンドの風味の上品なバタークリームがよく合います。
このようなケーキは控えめで上品な味でないと、目眩がするほどしつこい味になりますが、全く軽々と頂いてしまいました。



連れの者が注文したチョコレートパフェ。
チューリップ型のガラスの器にしっかりと盛り上げられた生クリームは軽やかで、中のアイスクリームもさっぱりとした味でした。


懐かしさと、時代に適応した心配り。
両者がうまく調和して、今また新しいファンが増えつつある「らんぶる」さんはいつも品格を失わず穏やかです。
店長さんがお見送り下さり、再会を約してお店を後にしました。
心温まる穏やかな時間をありがとうございました。


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